土壌脱臭とは

工場や施設の臭気問題を抱えている方に向けて、土壌脱臭とはどのような脱臭方法かをご紹介。本記事では、土壌脱臭の仕組みや特長、装置選定のポイントをわかりやすく解説します。

土壌脱臭の方式とは

土壌脱臭とは、土壌中に生息する微生物の働きを利用し、臭気成分を自然分解によって除去する脱臭方式。薬剤や活性炭などの物理・化学的処理に比べて、設備構成がシンプルで運転コストを抑えられる点がポイントです。

特に、下水処理場や食品工場、畜産施設など、低〜中濃度の悪臭が連続的に発生する現場に適しており、環境負荷を抑えながら安定した脱臭効果を発揮します。

土壌脱臭の特徴

微生物と土壌の働きで
臭気成分を分解・除去

土壌脱臭では、土壌に含まれる有機物や微生物の働きを利用し、臭気成分を吸着・分解・酸化の複合的な反応で除去します。臭気は、まず土壌中の粒子に吸着され、微生物がその成分を吸収。その後微生物の代謝によって、水や二酸化炭素などの無害な物質へと変わっていきます。

薬剤を使わず、自然の仕組みで安定した脱臭効果を維持できる点が大きな特長です。

多様な臭気成分を
安定的に処理可能

土壌脱臭は、アンモニアや硫化水素、メチルメルカプタンなど、性質の異なる複数の臭気成分が混在する“複合臭”にも安定して対応。これは、土壌中に多様な微生物が生息し、それぞれが異なる成分を分解・酸化する仕組みを持っているためです。

加えて、施設ごとに適したろ材の組成や空気の流れを設計することで、安定した脱臭効果を長期間維持することもできます。

土壌脱臭装置の仕組み

臭気を含む空気が土壌層を通過する際、まず物理的に吸着され、続いて微生物の代謝によって水や二酸化炭素などの無害な物質に分解。吸着・分解・酸化が連鎖的に進むことで、安定した脱臭効果が得られます。

次の記事では、土壌脱臭装置の構造を踏まえながら、臭気を脱臭できる仕組みをさらに詳しく解説。土壌脱臭装置を取り扱う企業も紹介しているので、導入を検討している方はぜひご覧ください。

土壌脱臭装置のメリット

土壌脱臭装置には、低コストで維持管理がしやすく、環境負荷を抑えながら長期間安定した脱臭性能を発揮できるというメリットがあります。次の記事では、これらの特長を支える仕組みや注意点を詳しく解説しているので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

土壌脱臭装置の選び方

土壌脱臭装置といっても、製品によって設置方法や必要な設置面積、脱臭性能、コストなどの条件は大きく異なります。また、施設で発生する臭気成分の種類や濃度によっても適した装置は変わるため、導入前に選定のポイントを押さえておくことが重要です。

次の記事では、土壌脱臭装置を選ぶ際に確認すべき5つのポイントをわかりやすくまとめました。