BCPで考える土壌脱臭のポイント

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工場や施設のBCP(事業継続計画)を策定する際、見落としがちなのが災害・停電時の「悪臭の漏洩リスク」です。本記事では、脱臭設備の停止が招く事業への影響や、BCP対策における設備選定の選択肢として挙げられる「土壌脱臭装置」の仕組み、検討時に確認すべきポイントについて解説します。

BCP対策における工場・施設の「悪臭リスク」とは?

災害や停電によって脱臭設備が停止した場合、工場や施設から発生する臭気が周辺環境へ影響を及ぼす恐れがあります。BCP対策を検討する際は、非常時に設備が停止した際の影響範囲と、それに伴うリスクを把握しておくことが欠かせません。

停電・災害時の設備停止による周辺環境への影響

プラント型などの機械による強制排気を行っている脱臭設備が停電により停止すると、工場内で発生する臭気がそのまま外部へ漏洩し、近隣住民からの苦情につながるケースが考えられます。特に住宅地に隣接している施設では、影響が広がりやすい傾向にあると言えるでしょう。そのため、災害時のリスクを評価する際は、設備停止に伴う周辺環境への影響をあらかじめ想定しておくことが、停電時にも一定の稼働を維持できる、あるいは漏洩を抑えられる脱臭設備を選定する際の大きな判断材料となるのです。

悪臭防止法と苦情による事業継続(BCP)リスク

悪臭防止法では、規制地域内の工場・事業場を対象に、特定悪臭物質や臭気指数について規制基準が定められています。事故発生時に事業者へ応急措置や復旧措置が求められるのは言うまでもありません。また、規制基準に適合せず周辺の生活環境が損なわれている場合、同法に基づく改善勧告や改善命令の対象となるリスクも潜んでいます。自社の法的リスクを的確に把握することは、BCP対策における悪臭対策の優先度を見極めるうえで重要な指針となるでしょう。

参照元:株式会社ファクタス公式HP(https://www.factas.jp/information/bad-smell/)

参照元:株式会社カルモア公式HP(https://www.karumoa.co.jp/solution/regulation01/)

土壌脱臭をBCP対策の選択肢として検討する3つのポイント

【ポイント1】土壌への吸着・溶解と微生物による臭気の処理

土壌脱臭は、土壌粒子や土壌中の水分への悪臭物質の吸着・溶解と、微生物による分解を組み合わせて臭気を処理する仕組みです。そのため、停電時の設備停止による影響を検討する際は、送風機などの機械設備が停止した状況下で、土壌が持つ物理的な吸着・保持作用が臭気の漏出抑制にどの程度寄与するかを確認することが、適切な設備選びの鍵を握ります。

【ポイント2】微生物環境の維持と停電復旧時の確認事項

土壌脱臭は微生物の働きを利用するため、脱臭性能を維持するには微生物が活動しやすい環境を保つことが不可欠です。停電によって送風が停止した後、脱臭性能がどの程度の期間で回復するかについては、停止時間や土壌の状態、設備構成などによって一定ではありません。導入を検討する段階で、設備ごとの仕様や非常時の管理・復旧方法を事前に確認しておく必要があります。

【ポイント3】薬液洗浄などとは異なる設備構成

土壌脱臭は、土壌を脱臭材料として利用する仕組みであり、薬液洗浄などのプラント設備とは異なる設備構成を持ちます。一般的に施設費や維持費を比較的抑えやすい方式と言われています。非常時の稼働条件と平時の運用コストのバランスを比較検討する担当者にとって、こうした設備構成の違いは一つの有力な選択肢として映るはずです。

BCP対策として土壌脱臭の性能を維持する管理のポイント

微生物環境を保つ日常的なメンテナンス(水分・pH管理)

土壌内の微生物が活発に働くためには、適度な水分とpHの維持が求められます。水分量が不足すると微生物の活性が低下するため、定期的な散水作業が必要です。また、長期間の運用により土壌が酸性化するケースもあるため、pHの把握も重要な管理項目の一つとなります。社内でこれらの日常管理体制を構築できるかどうかは、長期的な運用計画を立てる際の大きな判断基準となるでしょう。

土壌の圧密を防ぐ耕起作業と脱臭材料の補充

長期間の使用によって土壌が固まる「圧密」が起きると、空気が土壌の一部だけを通り抜けるショートパス現象が発生する恐れがあります。土壌の通気性を維持するためには、定期的な耕起(掘り起こし)作業を実施するなどの対策を検討しなければなりません。加えて、長期使用では脱臭材料の状態を確認し、必要に応じて補充や交換を行うため、メンテナンスの頻度や手間をあらかじめ把握しておくことが運用成功のポイントです。

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まとめ

災害時の停電による脱臭設備の停止は、悪臭の漏洩による周辺環境への影響や、悪臭防止法に基づく行政措置の対象となるリスクを伴います。生物脱臭方式である土壌脱臭は、土壌への吸着・溶解作用や微生物分解を利用する仕組みであり、BCP対策における設備選定の有効な選択肢の一つと言えます。自社の状況に合わせて平時のメンテナンス体制を構築し、災害時のリスク低減に向けた対策の検討にぜひお役立てください。